君が笑えば僕も笑おう。

君が泣けば僕も泣こう。

君が不幸なら、僕も君と墜ちてゆこう。

























を見ることをすること




























「やっとお昼だねv」








は笑顔でそう言った。

その笑顔は、今だけは俺のものだよね。

なんて、少し得したような気分になっていた。














「翔君は先に食べてていいよ。私花に水やっちゃうからv」

「飯食べてからでもいいんじゃないの?」

「でも、ホラ。今日は暑いしさ。土こんなに乾いちゃってて可哀想だよ」
















そういいながら、笑顔で花に水をまくは、やっぱ可愛い。

だけど、とても偉い奴だと思った。

人や物のことを思いやれるやつは、スゴイやつだ。俺はそう思ってる。

そんなことを思いながらも、やはり空腹には耐え切れず、俺はのお言葉に甘え、コンビニ弁当を食べ始めた。

そうして、おかずのからあげに手をつけ始めたとき、が水あげを終えて戻ってきた。

隣に座ったを見ながらどきどきしたりもした。

俺も若いな…なんて、ね。
















「翔君って…えっと、アイドルやってるんだっけ?」

「そうだよ」

「おもしろいお仕事?」

「んー…ま、ね。メンバーがみんないい奴だし」

ちょっとストレスたまるときもあるけどね…

「へー…メンバーかぁ。楽しそうでいいな〜v」

「あはは…」

















俺はそうやって言葉を濁した。

はソレについてさほど気にしてなさそうに、俺に質問をいくつかした。

アイドル。とは、きっとみんな一度は憧れるものだろうけど、

実際なってみると大変なもので、一度夢見た自由さえ、アイドルになってしまえば無効である。

こうやって、学校で食事をするのだって何ヶ月ぶりだし…













「アイドルかぁ…翔君、TVとかに出たりしてる?…よねv」












あはは。と、少し決まりの悪そうな顔で俺に問い掛けた。

は本当に流行に乗れていないみたいだ。

でもそんなだからこそ、普通に接して、今、隣で一緒に食事をとっているんだ。

そして、そんなに恋できたのも、きっと俺を芸能人と見ていないだからこそ。















「まぁね。そりゃ出てるよ。アイドルだし」

「TVか。凄い!さすがアイドル様様だね!」

「そこまで凄いかはわかんないけど…ι」

「そっか。じゃぁ今度観てみるねvちゃんだったらそこらへんの情報凄いからv」

「…観ないで、ほしいな」

「へ?」















口から出たのは、小さい子供のような、小さなわがままだった。

言った後、「はっ」と我に帰り、しまった…と自分を恨んだ。

まるで子供じゃん…

どうして?と理由を迫るを見て、ますます自分を恨んだ。

理由なんて、すっげーくだらないのに…







「だ…ってさ。そんなもん観なくったって、俺はの隣にいるわけだし…」

「????」





?を浮かべるの顔を、恥ずかしさのあまり直視できないまま、俺は続けた。






「…直球に言っちゃうと…ここにいる俺を見ていてほしい…んだ…よね…///」







いい終わったころには、顔がリンゴのように赤かったんだと思う。

ってか、コレって告白。に近いんじゃないか…?

気づいたかな…俺の思いに。

そんな小さな期待を膨らませ、勇気を振り絞っての顔を直視してみた。

そこには、満面の笑みを浮かべる。の姿があった。












「そっかvTVだとフィクションっぽいもんね。翔君はここにいる。それでいいよね」

「え…まぁ、そういうこと…だね」

「うん。わかった。翔君が嫌なんじゃ仕方ないもん」
















…どうやら鈍感なには俺の思いは伝わらなかったようだ。

それでも、やっぱりそんなトコが可愛いと思えてしまえるのは、恋する漢の性なんだろうな…

それから、昼食をとったあとも、他愛ない話をし、その他愛ない話でだけでも俺は幸せだった。

楽しい昼食タイムも終わり、二人で庭園を出た。

二人一緒に教室に入ったとき、少しざわめきだしたが、そのざわめきも先生が入ってきたときにピタリと止んだ。

昼食を終えた5時間目と言うのは、とてもだるく思ってしまうもので、

そんなこと言ってる俺もだるかったりしてる。

ハァ、と、心の中でため息を漏らし、しぶしぶ英語の教科書を出す。

意味のない先生の話。

何回か発音すれば覚えられる単語。

勘で答えてしまえばだいたいあたる英文。

俺にとって、英語は退屈な授業で仕方がない(まぁだいたいの授業は退屈だけど)

チラっと、少しクセになった授業中にを見る行為。

少しストーカーに近いっていうのも、俺だってちゃんとわかってる。

だけど…なんというか…『つい』ってやつ。











「うー…んっと」











本当に難しそうに、必死に問題に取り組んでいるの姿はとても心が和んだ。

なんだろう「俺も頑張らなくっちゃ!」と思えてくる。

その後、俺はおもしろくなって授業中のの観察を続行した。

授業中のは、半泣きになったり、突然笑顔になったりと、見ててかなりおもしろかった。

ってか、授業中にこんなことやってていいのか俺…









































キーンコーン………













「はぁ〜…意味わかんない」

ずっと問1に苦戦してたもんな」





俺がフと後ろから嫌味っぽくサラリというと、は慌てながら後ろを向いた。






「みっ見てたの!?」

「見てた…じゃなくて、見えたの」




…これ八割ぐらい嘘かな(二割は本当なんだよ/BY翔)






「うわっ…恥ずかしい〜///だっ…ってさ…わけわかんないんだもんー」

「へー…そっか、じゃぁ、俺教えてあげよっか?」







また前回に続き。思いつきで言ってしまった一言。

そして前回のように、言った後「あー…」と、少し後悔したりしてみたり。

でも、その一言で、の表情がいっぺんしてパァっと明るくなった。










「ほっ…本当!?」











その笑顔の可愛さに圧倒され、俺は少し後退してしまったが、グッと地を踏み込んだ。

そして強く思った。「ここでひるんだら男がすたる!」

どうすたるかはわからないけど、とにかくすたるような気がした。(何)












「俺でよかったら教えてあげられるけど、教え方に自信ないよ?」

「ううん!いいよ!教えてもらえるだけありがたいもんv」

「そ…っか?じゃぁ、俺明日からまた仕事だからさ。放課後にでも、どう?」

「うん!全然いいよvじゃぁ、今日放課後よろしくお願いしますv」















ペコリと頭を下げたを見て、俺も「こちらこそ」と頭を下げた。

そして二人で顔を見合わせて笑った。

こんな時がずっと続けばいいのに、

そんな身勝手な願いを誰が聞いてくれるというのだろう。





俺は放課後を待った。

けど、放課後は教室に現れなかった。

「どうしたんだろう」少し気になりながら、俺はしぶしぶとげた箱へと向かった。

そして、げた箱の中を見てみると、からの手紙が一つ、靴の上にチョコンと乗っかっていた。






翔君へ。

ゴメンナサイ。私ちょっと用事ができて、急いでいるので手紙を残します。
私の勝手で教えてって言ったのに、行けなくてごめんなさい。
あの…勝手なお願いだけど、また今度お願いしてもいいかな?
嫌だったらいいんだけど
じゃぁ、私急いでるから。じゃぁねvまた今度   

より。







丸文字で書かれたの手紙を、俺はジっと見つめた。

本当に急いでいるようだ。

かなり乱文。と言ってもいいと思う。

でも、そんな手紙の中にも、俺のことを思うの姿があるから。

この手紙は俺のだ。

そんな小さな幸せを噛み締め、俺は学校を後にした。

このとき、俺は気づかなかったんだ。

の靴が、まだ学校に残っていたことを。

気づいていれば、どうにか対処できたかもしれないのに……

そんな事もしらず、俺は次の日から仕事をのうのうとこなしていた。

俺が学校に行ったのは、それから2週間後のことだった。








NEXT


気にある?続き気になる?気になってくれたら嬉しいなv
なんてさ。だいたい展開は想像できるのではないでしょうか?
最近更新できてなかったので、
やっと書き終えられて嬉しいっす♪
翔君は、次回とっても傷つきます。
ま、どう傷つくかは乞うご期待!ってことでねv







































































































































































































































































































































































































































































































































































































































SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送