彼の誕生日は6月17日。
彼の血液型はA型でふたご座。
嫌いな食べ物はシイタケ。
身長は168cmで足のサイズは26cm。

でもね、私、彼のもっと大事なことまで知ってるんだよ。
















/体/験

















「大きくなったら…」


小さい頃なら皆言ったんじゃないかな?

そんな些細な言葉を、私は鮮明に覚えてる。

当時の彼の、

声、姿、そして背景までもがなにもかもが鮮明。

語って欲しいと言われれば朝までだって、語って上げられるほど、私にとっては嬉しい出来事だったの。

彼も彼で、その約束を忘れてはいないようだけど、ハッキリとは覚えていないらしい。

私は私で、別に忘れられても仕方ないと思ってるの。

だって、あれはまだ私が中学1年生の時だったからね。
















































その日、雨が降ってました。














































「あ〜あ、母のゆーとおり傘持ってくればよかったぁ〜…帰っちゃったかな?」






私は、激しく雨がふっている、その先を、目を細めながら見つめた。

ただ私は上を向いてジーっとしていた。

いつになったら帰れるのだろう。いっそびしょ濡れになってでも帰るか。

迷った。

今の私にとっては自分の体など濡れても構わない。

一番大事だったのは、貰ったばかりの真新しい教科書だった。

私には姉が一人いるから、濡れてよれよれになった教科書をみたことがある。

姉は、その教科書をとても使いにくそうに使っていた。

ページとページはくっつき、上の方はとてもかっこわるく、よれている。

これが3学期くらいならまだしも、今はまだ5月。

私の学園ライフは始まったばかり、教科書を濡らすわけにはいかない。





私はカバンをギュッと握った。




































































「これ貸すよ」



















「へ?」

















































その言葉の返事は帰っては来なかった。

ただ私の頭に傘をかぶせ、一人の少年は走っていってしまった。

名も知らない、男の子だった。

まだ新しいらしい制服を見ると、きっと彼も私と同じ1年。

彼は教科書はいいのだろうか…そんなことばかりを心配していた。

私は、数分立ち止まり、頭にのった傘に手をとり、そして歩き出した。

そして家に帰る途中でハッと思った。






この傘どうやって返そうかな……




































次の日、外はまた雨が降っていた。

私は傘を二つ持って家を出た。

一つは私の水玉ピンクの傘、そしてもう一つは、シンプルなのに、少し心惹かれるようなスカイブルーの傘。

私は今日、この傘を彼に返そうと思った

昨日1年の教室を回っていればどうにか会えるだろうと考えていた矢先、私は気づいた。

彼の傘には、律儀にもクラス名前が書いてあることに。

今時…とかそんなこと思うより先に、私は早く会いたいという気持ちになってしまった。

実際今日、朝から雨が降る中、私はとてもわくわくとしていた。

あの人に会える。

彼の名前は『二宮和也』


































2時間目の授業が終った瞬間、私は教材をサッと片付け、と連れて教室を飛び出した。

ちゃんは、二宮君と少し顔見知りらしい。(同じ委員会なんだって)

一人じゃ不安だし、は顔が広いし、性格はハッキリしているし、連れてきて損は無い。

彼のクラスは1年A組だ。

クラスのドアの前まで来た時、柄にもなくどきどきとしていた。

どうにか平然を装っていたけど、いつボロがでるか…ふぅ…

はなにやってんのと私の肩をつついた。

なにやってんのか、自分でだってわかんないよ。

ドキドキに押しつぶされそうになった時、後ろから声がした。














































「あれ?どうしたの?」



















































誰からでも分かるくらいに、私は大きく肩をびくつかせた。





「ニノ君!ほぉら!!ニノ君だよ!」





そ…そんなに背中を押さないでくださいよさんよ(汗

私は勇気の一歩を踏み出し、ゆっくりと顔を上げた。

前には、整った、とても可愛らしい(そう、例えるなら子犬)男の子が立っていた。

一瞬見惚れて、そしてなんだか気恥ずかしくなって目をそらした。









「あ、あの、昨日傘…貸してくれましたよね?」

「うんv貸したv」









返事は、おもったよりもとても明るい声だった。

その声に少し胸をなでおろし、おそるおそると彼の顔を直視した。

顔が熱くなるのを感じた。たかが男の子なのに…同じ学年の…男の子なのに…

当時の私は、まったくもって男に興味が無かったし、ましてや『恋』と言う字をレンと音読みにしていた女だ。

まさか自分が『恋』におちたなど、夢にも思わなかった。

自分より背が高く、そして顔がものすごく可愛らしいこの少年に。

私は恋をしていたのだろう。

















「あのさっ…二宮君」

「和也!」

「ふぇ?!」

「和也って呼んでくんなきゃ俺返事しない!」

「ぉぃおぃニノ君…我侭だよ」

「だぁって!ちゃんに名前呼んでもらいたいんだもん」










こんなこと言われて、普通はなにかしらの期待をするもの。らしいけど、

私は、二宮君(または和也君)が、『ただ私に名前で呼んで欲しい』だけなのだと解釈したのだ。

今思うと、馬鹿だな、と思う。












「うん。じゃぁ和也君って呼ばせてもらうよv」

「え!マジ!?やったねv」







和也君はニヘvと可愛らしく笑った。

その笑顔につられ、私の頬も多少緩んだ。

そんな雰囲気のまま、数十秒立った後、私は自分の真の目的を思い出した。

いけないいけない…












「で、和也君。傘なんだけどさ、今日大丈夫だった?」

「え?何が?」

「だって今日雨降ったしさ、私傘借りちゃったから…朝大丈夫だったかな?って」

「心配してくれたのvvv俺すごい嬉しい〜vvv」

「あ、いや///その…(照れるな!これが和也君なんだ、きっと!)」

「俺だったら大丈夫だったよ。朝は父さんの傘借りたからv」

「あ、そうなんだ。よかったv」













にこっ。






























私が和也君に笑って見せると、和也君は照れたように下を向いた。

一体私が何をしたのだろう…なにか悪いことでもしたのか…

少し悪い気持ちになった。








「あ…ごめんね?」

「え!?何が!?」





和也君は驚いたように私の顔をジッとみた。

いや…何が!?って言われても……









「和也君下向いちゃったから、私なんかしたかな?って」







その言葉を言い終えると同時に、後ろで待機(?)していたがブッと吹き出した。

どんか〜んとか叫んでたけど、何がどう鈍感なのか私にはよくわからなかった。

ただただ私はを不信な目で見ていた。

あんな奴ほっとこう。私の利口な頭脳はそう判断した。












「で、和也君。話を戻るけど、傘なんだけどね?」

「え?あ、うん」

「今日持ってきたから、放課後返したいんだけど」

「うん!わかった!俺放課後待ってる!1C終るの遅いもんね、待ってるよ俺」

「そぉ?ありがとうv」







そう言って私がまたニッコリ笑って見せると、和也君はまた赤くなりながら下を向いた。

そして下を向いたまま、だいじょうぶだから、と小さく呟いた。

しかし…大丈夫には見えない…

がだいじょうぶvと念に念を押したので、たぶん平気であるということがわかった。

どうして下を向いたのか、今の私には検討もつかなかった。








































ずっと雨が降り続けてる中、一日の授業は終わりそしてHR(私のクラスはいっつも長引く)が始まった。

ボーッと外を見ていると、朝よりも小降りになっていることがあきらかだった。

明日は晴れるかな?

梅雨なら誰でも願うことだろう。雨だと目覚めが悪いし、なんだか一日元気が出ない。

梅雨なんて、早く終れば良いのに…

そうこうしているうちに、先生の長々しい話は終わり、「起立」という声が聞こえたので、私は急いで席を立った。

イスを机の上に持ち上げ、その机を前の方に寄せ、教室を出た。

ガヤガヤと廊下はにぎやかだった。

廊下で会った友人にさよならを言いながら小走りで下駄箱へと向った。

下駄箱には、案の定、和也君の姿があった。

目があい、軽く手を振った。

待たせては悪い、そう思って急いでクツに履き替えた。

傘立てから私の傘と和也君の傘をとって、和也君の傘を返した。













「昨日はありがとv私とっても助かったんだv」

「そう?よかったv俺も濡れた甲斐があったってもんだよv」

「あ、風邪引いてない?」

「大丈夫、俺そんな弱くないし」

「よかったぁvじゃぁ、その傘ありがとうvまた明日」











バイバイとつけたし、帰ろうと足を踏み出した時、和也君が私の腕を掴んだ。

何?という顔をすると、和也君は「あ…いや…その…」と言葉を濁した。

そして最後に「途中まで一緒に帰ろう」と苦笑いをした。

断ることも出来ず、私は和也君と下校することにした。

門を出るまで、私は一言も言葉を発しなかった。

ただ、ただ雨がうっとおしいとだけ思っていた。



























































「あ…のさ」

「ん?なに?」

「たぶん気づいてるとは思うんだけど…」

「何を?」






和也君の様子がおかしい。

雨がパラパラと降る中、和也君はモジモジと私に話し掛けた。
なんだか照れくさそうに…なにかを伝えようとしていた。







ちゃんは俺のことどう思う?」

「え…?う〜…ん、可愛い顔してるなって」

「あ…そう(可愛い…!?可愛い…可愛い…!?可愛い…可愛い!?<エコー)」

「うん…?あ、私も聞いて良い?」

「うん。どうぞ?」

「和也君は、どうして私の名前知ってるの?」


















初対面なのに……

























「え/////だって、同じ学年だし…」

「でも、私たちお互い話したの今日が初めてでしょ?」

















そう言うと、和也君は少しためらって、そして真顔で言った。









「初めてじゃないよ」








私は目を大きく見開いた。









「え?私は…初めてだけど?」

ちゃんはきっと覚えてないと思うんだけど…入学式の日…」

「うん」

「俺、ちゃんと話したんだよね」

「…?いつ?ごめんね、覚えてないみたい…」

「だろうね、だって、ちょっとしか話してないし」









私は入学式の日、和也君と一体何を話したのだろう、

ぼやけてハッキリしない記憶をたどりにたどってサーチした。

しかし、この目の前に居る少年は、記憶には全然なかった。











「じゃぁさ、入学式の日、誰かとぶつかったのは覚えてる?」

「…ぶつかった?」










ぶつかった。

その単語で、ヒットした。

私はたしかに誰かとぶつかった。

それ…和也君だったのかな?











「私、それは覚えてるよ」

「あ!本当?その時に、『大丈夫ですか?』って手を差し伸べてくれたのが、ちゃんだったの」

「…そっか、あれ、和也君だったんだね。でも、なんで名前?」

に聞いた」

「そっか、同じ委員会だもんねvそうだったんだ」











名前なんて、誰だってすぐ知れるじゃん。

それに和也君はと同じ委員会だし…

でも、なんだかスッキリしない、胸でなにかモヤモヤしてる。









きっと、雨が降ってるからだよね。






















「でも、それだけじゃない」

「ふぇ?」

「俺、ちゃんに一目惚れして…それからずっとちゃんのことずっと見てた…んだよね」

「…それって…」









「う…うん。俺、ちゃんのこと…す…」

「ストーカー?だよね」

「…へ?」

「だから…見てた=ストーカー…じゃ。ないの?かな?って、…え?どうしたの和也君」

に聞いてたけど…これほど鈍いって…」

「…(ってば和也君に何ふきこんでんのかしら…/笑)」













和也君はなにか気づいてほしいんだろうか…

私のこと…す………って…なに?やっぱりストーカーじゃない…






























































その前に…ストーカーってなんでするんだっけ……?



















































「俺はちゃんが好き!」

「…ハィ!?」

「だから、俺はちゃんが!」

「って、ソレ…どういう意味…」

「……え?」
















和也君は固まった。

そして、なにか抜けたかのようにただ立ちすくんでいた。

勇気を出し切り、そして燃え尽きたような、そんな姿に見えた。



















「じゃぁズバリ言うね」

「あ、うん」



















和也君は、大きく息を吸い込んで、大きな言葉と同時に、大きく礼をした。










































「大人になったら、ちゃんの処女俺にください!」





















大きな声だったが、雨で声がかき消され、校舎には届いてはいないだろう。

でも、私にはちゃんと届いたわけで…
















































「へ…?」























世の中には…こんな告白もあるのです。(私はビックリしました)

その後、中学を卒業した今でも私は和也君と付き合っています。

和也君は、当時まだ若かった。

今なら笑っちゃうようなセリフ、でも、単刀直入で私は気に入っている。

余談だけど、彼はその後付け足した。

「俺もちゃんに童貞捧げるから」ってね。

彼はもう覚えてない。遠い遠い若かったあの頃の、人生で初めてのプロポーズ。

誓います。

あなたに処女を捧げることを………




またまたニノドリUP。
STANDUP!!記念。ってか、別に設定ぱくったわけじゃないんだよ!?
最初「この設定おもしろそv」とか思ってかいてたらSTANDUP!!の日になっちゃってさ!
ォオィ!私ぱくっちゃった!?
ってなっちゃったわけだよぉー!
処女&童貞って設定は、オリジナルなんですぅー!(逆ギレ…?

























































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































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