秋風がそよそよと、冷たく通り抜けていく。

なんだろう、この切なさは、

なんだろう、このもどかしさは、

冷たい秋風は、それでも私の体を通り抜けていく。































































「あー!」

は間抜けな声をあげた。

それを、五月蝿いとばかりに、少年はハァと溜息をついた。

そして「なんだよ」と、少しぶーたれた声で言った。




「髪…切っちゃったの?」


は、本当に残念そうに、そして悲しそうに少年の頭を見た。

少年は、あきれたように、またハァと溜息をついた。



「そんなことかよ。っていっつも変なとこでガッカリするよな?」

「だってー、私あの髪型好きだったんだよ?」

「アレはほんとの俺じゃないの!役作りだって、前にも説明したじゃん」

「でもでも!私は一番アレが好きだったの!なのに…はぁ〜、なんだかショック…」


は少し俯いた。

そして、何回も、何十回も同じ溜息を漏らした。

そのたびに、少年はポンポンと頭をなでた。



「別に、伸ばせばまたできるじゃん?」

「…伸びたら…また、あの髪型にしてくれる?」

「……さぁ?」

「うぅ〜…」








「っつかさぁ、俺はいいと思うんだよね。この髪型」

「おかしい!変だよ!」

「巷じゃぁ、「さわやかになったねv」って笑顔で言われてんだぜ?」

「巷って何処よぅ!ここは巷じゃなくって私の家でしょー!」

「へいへい」




少し切れ気味のを、慣れたように手で押さえ込みスッと隣に座らせた。

それでも、の食い入る目は続いた。

少年は「ずっとそうしてろ」と、一言だけ言い、本棚から雑誌を取り出して読み始めた。

はその間、ずっとぶーたれたままで、ぶつぶつ呟いていた。







そのまま時間は過ぎ、何時間経っただろうか………

はいつのまにか眠ってしまっていた。

その事に気づいた少年は、ふっと笑った。

そして、優しく前髪を撫でた。











「ほんっと、って変だよね」













少年は、眠っているを抱き上げ、ベッドへと運んでやった。

そして、そのまま音をたてないようにそっと部屋を出た。

は、それに気づかず、朝まで夢の中だった。
















































































は、ねぼけたまま開けっ放しのカーテンを見た。

朝日があふれんばかりに窓から差し込んでいる。

それを少しまぶしそうに、目を細めた。

何があったのか、にはなかなか思い出せなかったのか…

なんだか昨日の記憶が曖昧だ。




























































潤は?





















































辺りを見回せど、少年の姿はなく、残っていたのは読みかけの雑誌だった。

その雑誌を見て、どうしてかは、少し切なくなった。

胸が、キューンと締め付けられた。

なんだろう、この寂しさは。

なんだろう…この空虚感。

なんだろう…どうしてだろう…





私…潤に会いたい。



























































みんなにはわかるかな?

さっきまで隣にいた人が、目が覚めたら隣にいなくて、

読みかけの雑誌が、彼がいたことを証明していて…

居た…のに、今は居なくて…

わかる?このどうしようもない心細さ…























































潤…





















































は急いで少年の携帯に電話した。

でも、相手が電源を切っているらしく、留守番電話センターへとつながった。

急に、目から涙が出そうになった。

なんだか、潤がいないと不安だよ。

潤がいないと、私だめだよ。

どうしたって心細くなっちゃうよ。





























































…会いたいなぁ…………































































































ピロリロリ…ピロリロリ

















































「…電話?…潤、かなぁ…」

























































携帯には、ちゃんと「松本潤」と、表示されていた。
























































「もしもし…」

『あ、?電話くれた?』

「うん。さっき」

『ゴメンね〜v俺そのとき仕事中でさ。今抜け出してんだ!』

「ううん。私こそいきなり、ごめん」

『…なんか、おかしいよ?』

「え?」

『元気ないってゆーか…なんかあった?』

「…なんか…少し寂しいなって…あと…」

『ん?』

「昨日はゴメンね。髪のこと、潤はその髪型気に入ってたのにね」

『いいって!そんなの気にするもんじゃないよ。今の髪型良いよ。って言ってくれる人もいれば
 みたいに「どうして切っちゃったの!?」って言う人もいたしさ』

「嫌いに…ならないでね?」

『は?』

「私…わがままだけど、嫌いにならないでね?」

『まぁたはわけわからんことを、なんで俺がを嫌いになるわけ?ありえないよ』

「なんかさ、今日、目覚めたら潤いないしさ。もしかしたら…」

『ん?』

「私、見捨てられちゃったのかなって、寝起きだからちょっと気が滅入ってたのかもね」

『ばっかだね、俺がそんなことするわけないじゃん!』

「だけど、昨日の今日だし、ありえなくはないじゃん」

『ありえないったらありえないの!今までが我侭言って俺が見捨てたことなんてないだろ?』

「だけど…」

『ありえない!って。って以外と心配性なんだ。やっぱ俺がついてなきゃダメじゃん』

「…うん。私、潤がいないと…ダメだ」

『俺も、と俺は、運命共同体…ずっと一緒だって、約束する』

「…ほんとぉ?」

『電話越しじゃぁ、少し不安だろうけどさ』

「…信じるよ。私も約束する。ずっと一緒だって、ずっと一緒にいるって」

『よし!じゃぁ儀式しよ!』

「は…?」

『目、閉じて』

「う…うん」





































































『俺はずっとが大好きだよ…』




























































そう、小さく呟くと、少年は携帯電話越しにキスを落とした。

は、少し顔を赤らめ、そしてフフっと微笑んだ。

「潤らしいなぁ…」






















































































秋風は、冷たくて、時に寂しさと切なさを運んでくる。

だけど、時に、温もりと嬉しさも運んできてくれる。

秋風は、そよそよと吹いてゆく、

通り抜けた秋風は、愛しいあの人の所へも行くんだろうか、

私の思いが、届けばいいなぁ…









恥ずかしい物になってもぉたー!
私にしては珍しい甘甘…v(?)
潤君ドリって少ないなぁと思って、またしても短編。
短編って、新しい気持ちで書けるからいいねv
連載ものってこうはいかない!
とりあえず。秋風は冷たいけど、春はそのうちやってくると、
夏になったら、涼しい秋風が恋しくなるって、そういう話なのよ(違ウ)




















































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送